体にやさしい次世代の前立腺がん治療
フォーカルセラピーは、前立腺がんに対して身体への負担を最小限に抑えながら、病変のみをピンポイントで治療する革新的なアプローチです。当院では患者様の状態に応じ、最適な治療選択をご提案します。
※フォーカルセラピーの治療は、江戸川病院にて行います。
フォーカルセラピーとは?
- 局所治療により前立腺の機能(排尿・性機能)を温存
- MRI・生検等の情報をもとにがん病変のみを正確に狙い撃ち
- 入院期間が短く、日常生活への復帰がスムーズ
適応となる方
- 前立腺がんの早期発見例・限局性のがんのある方
- 全摘出や放射線治療に不安を感じている方
- 排尿・性機能を極力温存したい方
治療の流れ
フォーカルセラピーの初診はソラリアクリニック東京銀座泌尿器科でカウンセリングを行い、治療の方針と可能な場合江戸川病院での生検のスケジューリングを行います。※生検は江戸川病院でおこないます。

フォーカルセラピーを実施するためには、MRI超音波融合生検をおこない、病巣をMRIで可視化します。
3D画像で可視化された部分を正確に針生検によって組織採取することが可能となり、 過剰診断や過剰治療といった身体への侵襲が極めて少なくなります。
検査結果に基づき、最適な治療法を決定します。

フォーカルセラピーの治療を受けるには2泊3日の入院をともないます。
マイクロ波を用いて、がんの熱凝固治療を行います。

治療後は、ソラリアクリニック東京銀座泌尿器科にて定期的な診察や検査を行い、フォローします。

MRI超音波融合生検について
前立腺がんの診断には、生検(組織の一部を採取し、顕微鏡で調べる検査)が必要です。従来の生検では、MRI画像を参考にしながらエコーを見て前立腺に針を刺しますが、エコーではがんの病変が見えないことが多く、勘に頼らざるを得ないこともありました。
しかし現在は、MRI画像とエコー画像を合成(フュージョン)して、生検針を正確に病変部に誘導できる「フュージョン生検」が可能になりました。この方法では、事前に針の角度や深さをシミュレーションしてから実施できるため、がんの疑わしい部位をより正確に採取できるようになります。
また、生検には2つの方法(直腸から針を入れる「経直腸的生検」、会陰部から入れる「経会陰的生検」)があり、当院では両方に対応。前立腺のさまざまな場所の病変に柔軟に対応できます。
病巣をMRIで可視化する。可視化された部分を正確に組織採取する技術がMRI超音波融合の針生検。過剰診断の減少と過剰治療の減少に貢献。
・画像誘導技術はリアルタイム性が最重要であり、 そのリアルタイム2D TRUSに客観性を与えたのが3次元超音波とMRI融合技術
・画像技術の革新(mp-MRI)が即時治療すべき癌の可視化が一定の信頼を持って可能
・見える化(針生検)する確定診断および標的化治療が可能
・IT,AIナビゲーション技術が3D-Ca-mappingの精度を向上
・費用は約80万円


従来の無作為採取法との比較
臨床的意義のある病巣の有無が正確に判定され、組織採取できます。
無作為採取法イメージ

超音波診断機だけではよほど大きな癌でなければ見ることはできず、多くの場合、前立腺の位置と生検針しか確認することができませんでした。こうしたがんの疑われる部位を正確に事前予測できない中、前立腺全体にまんべんなく複数個所生検針を刺し組織を採取して診断するのが従来型の無作為採取法です。
前立腺の3Dモデル

リアルタイムで針の位置が表示されます。狙った位置に針が刺されているか確認できます。
前立腺癌フォーカルセラピーの現在の位置づけ
臓器の一部に限局する癌病巣に対し、癌病巣だけを標的に低侵襲的に治療を行い、癌制御と臓器機能温存を両立して患者のQOL向上を図る癌病巣標的化治療は既にほぼ全ての臓器で実施されており、患者のQOLを維持する治療として広く臨床で日常的に施行されています。 特に国立がんセンターの「がん情報」でも明らかなように、前立腺癌は部位別5年相対生存率が最も高い(97.5%)癌であり、低侵襲な臓器温存戦略が行われるに最もふさわしい臓器と言えます。

フォーカルセラピーの先進医療認定について
マイクロ波による前立腺がんのフォーカルセラピーは、厚生労働省が認めた「先進医療」に指定されています。(先進医療を実施している医療機関の一覧 令和6年12月1日現在 第2項先進医療技術【先進医療A】NO51)
これは、有効性が期待される新しい治療法にのみ与えられる認可で、全国8つの医療機関(都内は江戸川病院のみで受けることが可能)で研究が進められています。
適応基準は厳格に定められており、当院では丁寧な診察と検査をもとに、適応かどうかを慎重に判断します。
※先進医療の適用外となった場合でも、自由診療(入院治療費:79万8,000円)として治療を受けることが可能です。
保険診療ではありません。(2025年現在)「自由診療」または適格基準に合致された方には「先進医療」で行っています。(基本的に「先進医療特約」を契約されている方に限ります)
背景・実績
米国にて多数例の本治療の臨床経験を有し、術後5年間の生存率100%などの良好な「癌制御」と「生活の質の維持(尿失禁の回避・性機能温存)」の両立が可能であることを報告。アメリカにて2015年までの間でGS6-8のMRI visibleな病変が一か所ある患者を対象に本治療のpilot study 5例 実施済み。
安全性証明、MRI画像上の病変消失、PSA正常化(<4vg/ml)&70%低下を達成。
Low-intermediate-high riskを含む160例の5年間の経過観察において 106例の中危険度の治療成績では、
・5年生存率100%
・前立腺がん特異的5年生存率100%
・転移なし5年生存率100% ・尿禁制率(尿漏れなし・尿パッド不使用)97%
・勃起機能温存率(性交渉精立)73%
がん病巣標的化(臓器)部分治療は、ほぼ全ての臓器で標準的治療として実施されている
Urology領域では、膀胱がんに対するTUR-Bt、腎腫瘍に対するCryotherapyなどであり
一方、消火器がん・乳がん・肺がん・肝がんなど、臓器部分治による機能温存戦略が標準的に実施
「マイクロ波熱凝固治療」について
治療方法はさまざまありますが、代表的なものが「マイクロ波熱凝固治療」です。電子レンジと同じ仕組みを応用した技術で、マイクロ波を用いてねらった部分だけを高温にすることでがん組織を死滅させます。マイクロ波による凝固療法は、肝臓がんや子宮内膜症に対する治療として保険収載されています(K697-2 肝悪性腫瘍マイクロ波凝固法、K863-3 子宮鏡下子宮内膜焼灼術)。
当院で行う前立腺がんに対するマイクロ波凝固療法は、令和4年1月現在では保険未承認であり自由診療対象ですが、今後の保険適用拡大を目指して臨床研究開発中の治療法です。1cm程度の小さな病変から2.5cmくらいまでが対象です。手術時間も1時間程度・入院期間は3~4日・大きな合併症も、性機能の低下もみられません。
また癌が再発した場合にも、再度フォーカルセラピーを行うことも手術や放射線治療を行うこともできます。現代における理想的治療方法として、保険治療を目指して邁進しています。
局所限局性前立腺癌に対する癌標的化
マイクロ波熱凝固治療のパイロット試験
本邦で本技術のパイロット試験を実施:
安全性を証明、MRI画像上の病変消失、血清PSAの低下も確認

・可視化された病巣とSafety marginを含め部分焼灼
・焼灼術用電気手術ユニット(マイクロ波手術器)マイクロターゼAFM-712を使用
・深部凝固用電極で先端20mmの周囲でラグビーボール状に部分焼灼
・安全性の観点で、腹部側の病巣を対象に限定して適応
(直腸から10mm以上、、、合併症を最小化)

治療範囲について
フォーカルセラピーでは、前立腺全体ではなく癌とその周囲のみを治療します。


フォーカルセラピーをご検討の方へ
「前立腺がんと診断されたが、なるべく生活の質を保ちながら治療したい」
「手術には抵抗があるが、放置もしたくない」
このようなお悩みをお持ちの方は、一度当クリニックまでご相談ください。
当院では、再生医療・泌尿器腫瘍を専門とする医師が、科学的根拠に基づいた診断と治療をご提供しています。患者様一人ひとりに最適な治療方針をご提案いたします。
